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GPS捜査、一部無罪 東京地裁「令状主義精神を軽視」と批判

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GPS捜査、一部無罪 東京地裁「令状主義精神を軽視」と批判

 裁判所の令状なしで衛星利用測位システム(GPS)を利用した捜査が行われた事件で、窃盗や覚せい剤取締法違反などの罪に問われた無職、福間康成被告(48)の判決公判が30日、東京地裁で開かれた。島田一裁判長は「違法なGPS捜査で得られた証拠は排除すべきだ」として一部を無罪とし、懲役4年(求刑同6年)の実刑を言い渡した。捜査を行った警視庁についても「(人権保護の観点から、裁判所など第三者が捜査の適切性をチェックできるようにするためにある)令状主義の精神を軽視している」と批判した。

 GPS捜査をめぐっては、最高裁が3月、「行動を継続的に把握し、プライバシーを侵害するため、令状がなければ違法だ」との初判断を示した。この判断後、令状なしのGPS捜査の違法性が争われた事件の判決は初とみられる。

 判決によると、警視庁は、福間被告や共犯者の自動車にGPS端末計約70台を装着し、行動を確認。検察側は「プライバシー侵害は大きくなく、違法性は低い」とし、証拠採用すべきだと主張していた。

 しかし島田裁判長は「GPS捜査は約1年9カ月の長期間にわたり、行動確認のために頻繁に利用されていた。捜査を終える時期さえ決まっていなかった」として、GPS捜査を違法とし、得られた証拠は無効とした。また、福間被告の逮捕時に捜査員が拳銃を向けた行為についても「必要はなく違法だった」と指摘。「将来的な違法捜査抑制の観点からも、GPS捜査や拳銃を使用して得た証拠は排除すべきだ」とし、覚せい剤取締法違反罪と一部の窃盗について無罪とした。一方で「窃盗で複数前科があり、規範意識は低い」とし、実刑が相当とした。

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