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【テロ等準備罪】適用対象は? 航空機乗っ取り防止強化 偽造旅券未発見でも対処 現行法の空白カバー

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【テロ等準備罪】
適用対象は? 航空機乗っ取り防止強化 偽造旅券未発見でも対処 現行法の空白カバー

衆院法務委員会で、野党議員が委員長に詰め寄る中、可決された「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案=19日午後、国会・衆院第14委員室(斎藤良雄撮影) 衆院法務委員会で、野党議員が委員長に詰め寄る中、可決された「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案=19日午後、国会・衆院第14委員室(斎藤良雄撮影)

 では、どのようなケースが処罰対象になるのか。想定されているのは、例えば、テロ組織が電力のインフラを誤作動させ、まひさせることを計画し、コンピューターウイルスの開発に着手した場合や、テロ組織のメンバーが化学薬品によるテロを計画し、そのための薬品の原料の一部を入手した場合などだ。

 現行法でも殺人罪やハイジャック防止法などで、重大犯罪に対し実行前に取り締まることができる共謀罪、予備罪、準備罪の規定がある。このため、野党からは「現行法で対処できる」との声も上がった。

 しかし、テロ等準備罪によって、現行法で対処できなかった空白部分をカバーできるようになるケースは少なくない。具体的には、テロ組織が複数の航空機をハイジャックし、高層ビルへの突入を計画する事例だ。現行法のハイジャック防止法に規定された予備罪では、メンバーの一人が航空券を予約しただけでは、客観的に相当な危険性があると認められず、適用できない可能性がある。

 公文書偽造罪には予備罪の規定がないため、これまでは組織犯罪集団の拠点を家宅捜索し、密入国を助けるためにパスポートを偽造していた疑いが濃厚でも、完成した偽造旅券が見つからなければ処罰できなかったが、テロ等準備罪の新設によって、こうした犯罪も水際で食い止める一助となる可能性もある。

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