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【テロ等準備罪を考える】「覚知できない兆候、一刻も早く法整備を」 帝京大名誉教授、志方俊之氏

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【テロ等準備罪を考える】
「覚知できない兆候、一刻も早く法整備を」 帝京大名誉教授、志方俊之氏

帝京大教授・志方俊之氏 帝京大教授・志方俊之氏

 日本のテロ対策の原点は平成7年に起きたオウム真理教による地下鉄サリン事件と2001(平成13)年の米中枢同時テロだ。現在の法律はこうしたテロを想定して整備されたものだが、テロの実態は大きく変化しており、現行法では対応しきれなくなっている。

 オウム真理教が山梨県の旧上九一色村に巨大拠点をつくったように、これまでのテロは、大きな組織が化学兵器をつくったり、ターゲットの国に構成員を潜伏させたりするなどして数年がかりで準備を進めていた。また、市民に紛れて突然起こされるものとされてきた。

 だが、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)は、無政府状態地域を支配し、国家を名乗っている。彼らはいわば「エリアを支配する誘惑に負けたテロリスト」だ。またISは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使い、テロと無関係な人々を精神的に感化させることで、各地にテロの危険性を拡散させてきた。

 単独で行動する「ローンウルフ(一匹おおかみ)」型のテロリストが登場し、日本で「ホームグロウン(自国育ち)」型テロリストが育まれている可能性もある。

 こうした変化を背景に、テロの兆候は覚知しにくくなる一方だ。大きな病巣は手術で摘出できるが、小さな拡散した病巣が取り除きづらいように、テロも摘発が難しくなっている。話し合いや下見、実行などかすかな兆候を把握するためには新たな法整備が必要だ。

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