産経ニュース

【東日本大震災6年】大川小、児童74人と教職員10人死亡・不明 悲劇は裁判で増幅された

ニュース 社会

記事詳細

更新

【東日本大震災6年】
大川小、児童74人と教職員10人死亡・不明 悲劇は裁判で増幅された

当時3歳、6歳、9歳だった孫を亡くしたという67歳の男性。「上の子は大川小学校の3年生、真ん中の子は4月から1年生だった」と話した=11日午前、宮城県石巻市(川口良介撮影) 当時3歳、6歳、9歳だった孫を亡くしたという67歳の男性。「上の子は大川小学校の3年生、真ん中の子は4月から1年生だった」と話した=11日午前、宮城県石巻市(川口良介撮影)

 3月11日。

 宮城県石巻市の市立大川小。

 津波の爪痕が生々しく残る校舎に黒服の人々が集まる。

 東日本大震災の七回忌法要。震災6年を迎えた。

 児童の遺族。教員の遺族。

 両者は言葉を交わさない。

 昨年10月30日。

 石巻市議会臨時会。

 「子供を返せ!」

 議場に傍聴者の女性の叫び声が響く。3年生の一人息子を亡くしている。

 議会は市に敗訴を言い渡した裁判所の判決を不服として控訴する市の議案を可決した。

                ■   ■

 大川小の悲劇。

 児童74人と教職員10人が死亡・行方不明となった。教育行政史上、最大の惨事といわれる。

 「教員は大津波の襲来を予見しながら、児童を安全な裏山に避難させず、避難場所として不適当な河川堤防に引率した」

 判決は教員の過失を認めた。

 判決を報じるテレビニュースを見て、教員の遺族の一人は動悸(どうき)を抑えられなかった。

 〈学校・先生を断罪!!〉

 勝訴した原告の親の掲げる横断幕がテレビ画面を通じて目に飛び込む。

 めまいがした。吐き気も。次の日になっても治まらず、医者から薬をもらった。

 「先生に殺されたようなものだ」

 教員の遺族は痛言を浴び、肩身の狭い思いをしている。同僚の遺族は身内に代わって受け持ちの子の家に焼香に行き、門前払いされた。肩をすくめ、息を殺して暮らす。

続きを読む

「ニュース」のランキング