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【原発避難者集団訴訟】「東電は経済性を優先させた」対応の不備を列挙 対策命令を怠った国にも厳しい判決

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【原発避難者集団訴訟】
「東電は経済性を優先させた」対応の不備を列挙 対策命令を怠った国にも厳しい判決

前橋地裁の判決後、会見する鈴木克昌弁護団長(右)ら=17日午後、前橋市(桐原正道撮影) 前橋地裁の判決後、会見する鈴木克昌弁護団長(右)ら=17日午後、前橋市(桐原正道撮影)

 東京電力福島第1原発事故の影響で福島県から群馬県に避難した137人が国と東電に損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁は17日、国と東電の双方が巨大津波の到来を予見可能だったと判断。「経済的合理性を優先させた」「主張は不合理」と、両者の責任を指弾した。前橋訴訟も含め、全国で起こされている28の同種訴訟の原告数は1万2千人を超える。責任追及の争点はほぼ共通しているだけに、国と東電にとっては厳しい判決となった。

 20年に津波予見

 訴訟の最大の争点は、東電と国は巨大津波を予見し、事故を回避することができたのか-だった。

 判決が着目したのが、平成14年7月31日に公表された政府の地震調査研究推進本部の長期評価だ。太平洋の三陸沖北部から房総沖の日本海溝でマグニチュード8クラスの津波地震が発生する確率を「30年以内に20%程度、50年以内に30%」と推定していた。

 「具体的根拠はない」とする東電に対し、判決は「長期評価は地震学者の見解を最大公約数的にまとめた合理的なもの」で、公表の数カ月後には「津波が来ることを予見可能だった」と判断。東電が15・7メートルの津波が到来するとの試算結果を得た20年5月には「津波の到来を実際に予見していた」と踏み込んだ。

 その上で、非常用電源の高所設置などの対策で事故は防げたのに、「経済的合理性を安全性に優先させたと評されてもやむを得ない対応を取ってきた」「約1年間でできる暫定的対策すらしなかった」と東電の対応の不備を列挙した。

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