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【東日本大震災6年】父と妻が避難中に死亡…孫世代のため6年目の決断 福島・富岡町の安藤治さん(67) 

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【東日本大震災6年】
父と妻が避難中に死亡…孫世代のため6年目の決断 福島・富岡町の安藤治さん(67) 

娘が作ってくれた、妻の姿を収めた写真を見る安藤治さん=9日、福島県三春町 娘が作ってくれた、妻の姿を収めた写真を見る安藤治さん=9日、福島県三春町

 「避難生活がなければ、もっと長生きでき、彩りのある生活を送ることができたのでは…」。福島県富岡町が郡山市内で開いた慰霊祭に遺族代表として出席した同町元消防団長、安藤治さん(67)は、避難生活で亡くした妻、則子さん=当時(58)=と父、肇さん=同(86)=への無念の思いを述べた。先頭に立ってきた町内パトロール活動を引退した今、新たな地への移住を決意している。

 6年前を境に生活は一変した。水田が広がり、山に囲まれた富岡町の自宅から夫婦と両親の家族4人で三春町の仮設住宅へ。当初は避難所運営や物資配布、放射線量測定などに奔走した。

 せわしい日々の中、平成24年3月、がんを発症した肇さんが他界。気落ちした母、愛子さん(89)は夫の死が分からなくなるほど重い認知症を患った。

 悲劇は続く。5カ月後のある朝、則子さんが寝床から起きてこなかった。脳出血。働きながら義母の介護もしており、医師は「ストレスが原因」と診断した。

 明るく、おしゃべり好きな則子さんは一言もつらいとは言わなかった。「疲れているのかなとは思った。前夜、病院に連れて行けば…」。家のことは任せきり。「落ち着いたら旅行に行ったりすっぺ」。そう言った則子さんとの約束はついに果たせなかった。

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