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「命の差別があってはならない」 事故死した重度知的障害少年の両親、施設側を提訴 逸失利益焦点に

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「命の差別があってはならない」 事故死した重度知的障害少年の両親、施設側を提訴 逸失利益焦点に

 重度の知的障害を持つ松沢和真さん=当時(15)=が平成27年、東京都八王子市の福祉施設から抜け出し、約2カ月後に山林で遺体となって発見された事故で、両親は14日、福祉施設を運営する「藤倉学園」(東京)に約8800万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。請求には松沢さんが生存していれば将来見込まれた利益(逸失利益)として、平均賃金から算定した約5千万円を盛り込んだ。重度知的障害者の逸失利益算定が争点になる見通し。

 提訴後に会見した松沢さんの父、正美さん(60)は「重度の知的障害があったとしても、和真は施設側の不備で将来の全てを奪われた。所得格差による命の差別があってはならない」と話した。

 訴状などによると、松沢さんは職員が目を離した隙に施設から1人で外出。藤倉学園は過失を認め、慰謝料2千万円を提示したが、松沢さんに重度の知的障害があったため逸失利益はゼロと算定した。「知的障害があることを理由に損害賠償額を低く認定することは差別に当たる。松沢さんには将来の可能性があった。障害のない少年の死亡事故と同じ基準で損害賠償額を算定すべきだ」などとしている。

 藤倉学園は「訴状を見た上で今後の対応を考えたい。現時点ではコメントは控える」とした。

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