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【産経抄】監察医だった上野正彦さんは、小さな体の前で黙祷した… 11月17日

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【産経抄】
監察医だった上野正彦さんは、小さな体の前で黙祷した… 11月17日

堺男児不明で、遺棄したとされる山中を捜索する大阪府警の捜査員ら=大阪府千早赤阪村(本社ヘリから、前川純一郎撮影) 堺男児不明で、遺棄したとされる山中を捜索する大阪府警の捜査員ら=大阪府千早赤阪村(本社ヘリから、前川純一郎撮影)

 監察医の仕事は、検死や遺体の解剖だけではない。2万体以上を検死してきた上野正彦さんは、遺体の捜索に協力したことがある。昭和48年7月、ある大学の女子大学院生が、同じ大学の助教授に殺害された。助教授は遺体を隠したまま、妻子を道連れに一家心中してしまう。

 ▼上野さんは途方にくれた捜査員に、土質の検査に使われる「検土杖(けんどじょう)」の使用をアドバイスした。長さ約1メートルのパイプを土の中に差しては抜き、土のにおいをかぐ。捜査員は約1カ月、殺害現場とみられる地域一帯で同じ作業を繰り返し、ついに遺体を捜し当てた(『監察医の祈り』ポプラ文庫)。

 ▼東京都目黒区の女性会社員(24)が行方不明になった事件では、元交際相手の男(50)が、殺人容疑で再逮捕された。女性の遺体は、自宅マンションの浴室で解体され、川や排水溝に捨てられたとみられている。

 ▼凍えるような川の中と悪臭が立ちこめる下水道の両方で、今も捜索が続いている。きのうの小紙は、汚泥の中から小さな肉片が見つかった、と伝えていた。女性の無念を少しでも晴らしたい。その一念で過酷な業務をこなす捜査員には、ただただ頭が下がる。

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