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【主張】黒石市の授賞騒動 被写体の思い見つめたい

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【主張】
黒石市の授賞騒動 被写体の思い見つめたい

授与撤回から一転し市長賞を贈られることが発表された、踊りを披露する葛西りまさんの写真=8月15日(遺族提供、画像の一部を加工しています) 授与撤回から一転し市長賞を贈られることが発表された、踊りを披露する葛西りまさんの写真=8月15日(遺族提供、画像の一部を加工しています)

 この際、改めて最高賞の授与が決まった写真を見つめ、いじめの酷(むご)さと祭りの意義について、真摯(しんし)に考えたい。

 主催者側の定見や節操のなさにはあきれるが、あえて責めまい。大事なのは、被写体の思いを受け止めることだ。

 青森県黒石市の「黒石よされ実行委員会」が実施した写真コンテストで最高賞の市長賞に内定していた作品への授賞が、一度は撤回された。被写体の女生徒がいじめを苦に自殺したため、市や実行委は「祭りの写真としてふさわしくない」と判断したためという。

 遺族は「いじめられても笑顔だった姿をたくさんの人に見てほしい。二度といじめをしないでという娘の願いを伝えたい」と実名と写真を公表し、市などの対応に批判が集中した。改めて会見した市と実行委は遺族に謝罪し、一転して市長賞の授賞を発表した。

 女生徒は、青森市立中2年の葛西りまさん、13歳だった。公表された写真は、真っ赤な番傘をバックに踊る、りまさんの満面の笑みが印象的だ。8月15日に青森県の男性が夏祭り「黒石よされ」で撮影し、コンテストに応募した。

 りまさんは8月25日に駅のホームから列車に飛び込んで亡くなった。遺書には、いじめを苦にして「二度としないで」などと記されていた。

 10日後に自ら命を絶つほどの苦悩や悲しみのなかにあって、これほどの笑顔を見せられたのも、祭りという日常の現実から離れた場で、心を思いきり解き放つことができたからだろう。

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