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令状なしGPS捜査の適法性、最高裁大法廷が判断へ 下級審で判断分かれる

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令状なしGPS捜査の適法性、最高裁大法廷が判断へ 下級審で判断分かれる

 裁判所の令状なしに、捜査対象者の車両に衛星利用測位システム(GPS)の発信器を取り付けた捜査の違法性が争われた連続窃盗事件の上告審で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は5日、審理を大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)に回付した。

 大法廷へは、憲法判断や判例変更を行う場合のほか、重要な論点が含まれる場合にも回付される。令状のないGPS捜査の適法性については下級審の結論が分かれており、最高裁が初の判断を示すとみられる。

 大法廷で審理されるのは、被告の男(45)が知人らと共謀し、平成24~25年、関西などで店舗荒らしや車のナンバープレート盗を繰り返したとされる窃盗事件。

 公判では、GPS捜査が令状の必要な「強制捜査」と、令状の不要な「任意捜査」のどちらに当たるかが主な争点となった。

 2審大阪高裁判決によると、捜査員らは裁判所の令状を取らずに、共犯者や関係者が使用する可能性の高い自動車やバイク計19台にGPS発信器を取り付け、車両の位置情報を取得していた。

 また、発信器を取り付ける際などに私有地に立ち入っていた。

 1審大阪地裁は平成27年6月の決定で「GPS捜査はプライバシーを大きく侵害し、強制捜査に当たる」と判断。捜査で得られた証拠の一部を排除した。その上で、7月の判決では被告や共犯者の供述調書などに基づき、懲役5年6月を言い渡した。

 28年3月の2審判決は、令状なしにGPS捜査を行ったことを「違法と解する余地がないわけではない」としながらも、「令状が必要だったとしても、要件は満たしていた」と指摘。捜査が行われていた当時、「GPS捜査を強制捜査と解釈する司法判断が示されたり、定着していたわけではない」として、「重大な違法はなかった」と結論づけ、1審判決を支持した。

 令状のないGPS捜査をめぐっては、名古屋高裁が今年6月、「プライバシー侵害の危険性があり令状が必要だった」と判断。1審名古屋地裁に続き有罪とされた被告側が上告している。

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