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【震災真論・深論】福島のオリジナル米 稲穂はお天道様を向いている 逆境の農家「人に食べてもらわないと」

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【震災真論・深論】
福島のオリジナル米 稲穂はお天道様を向いている 逆境の農家「人に食べてもらわないと」

田んぼに隣接する除染廃棄物置き場。収穫期を迎えた稲の黄金色とフレコンバッグ(放射性廃棄物を詰めた袋)の黒が対照的だ =福島県南相馬市(福島範和撮影) 田んぼに隣接する除染廃棄物置き場。収穫期を迎えた稲の黄金色とフレコンバッグ(放射性廃棄物を詰めた袋)の黒が対照的だ =福島県南相馬市(福島範和撮影)

 これほど運に見放されたコメを他に知らない。

 福島県のオリジナル米「天のつぶ」は二重苦を背負っている。

 平成23年にデビューした。「福島にはオリジナル米がない」。全国7位の収穫量を誇りながら、肩身の狭い思いをしてきた県が威信を懸けて開発した。研究期間15年。地元農業界が待ち望んでいた。

 作付けが本格化する矢先、東京電力福島第1原発事故が起きた。作付けの主な対象地の浜通り地方が休耕に追い込まれ、出はなをくじかれる。

 収穫期に黄金色に色づく田んぼは外来種の雑草セイタカアワダチソウの薄黒い茶色に覆われた。黒のフレコンバッグが野積みされた除染廃棄物置き場が農地に点在し、原子力災害の負の印象を増幅させる。

 ふくしま未来農協そうま地区本部は福島県南相馬市など浜通り地方の2市1町1村の農家を束ねる。3~4年の休耕期間を経て、営農が再開された。

 天のつぶは稲の丈が低く、倒れにくい。土壌に触れず、放射能汚染のリスクが軽減されるとして作付けが奨励された。

■   ■

 弱り目に祟(たた)り目。再スタートを切った天のつぶは減反政策にのみ込まれた。

 飼料用5270トン。

 主食用1820トン。

 農協の担当者は管内の今年の出荷見込み量の内訳を見て目を疑った。飼料用の方が多い。主食用の3倍近い。満を持して世に出た銘柄米が人の口に入らず、家畜の餌になる。

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