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JASRAC訴訟 欧米各国も寡占・独占状態、同様の徴収方式 利点あり…公取委は難しい判断に

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JASRAC訴訟 欧米各国も寡占・独占状態、同様の徴収方式 利点あり…公取委は難しい判断に

 最高裁が判断を示したことで、公正取引委員会は今後、JASRACの手法が独占禁止法違反にあたるのか精査する。市場自由化後も独占状態が続く音楽著作権管理事業。ただ、独占の背景が包括徴収方式だけにあるとも言い切れない上、この方式には利点もあり、公取委は難しい判断を迫られている。

 JASRACが管理する楽曲の市場占有率は99%前後。平成13年の著作権等管理事業法施行による市場自由化後もシェアは圧倒的だ。著作権管理に詳しい唐津真美弁護士は「国が独占を認めてきた市場が自由化されても、新規参入は難しい。独占の理由を包括徴収方式だけにできるのかには議論が必要」とみる。

 国際的には、音楽著作権管理の市場独占はそれほど特異ではない。米国は2大管理団体の寡占状態で、欧州連合(EU)諸国ではほとんどが独占。また、欧米各国の団体はほぼ、包括徴収方式での運用だ。

 一方で、JASRACに対しアーティスト側から「著作権使用料の算出基準が不明」などの批判があったことも事実。新規参入を目指す他社の動きが出る中で、「JASRACは対アーティストも含めサービスを改善した面もあり、市場競争は歓迎されるべきだ」と唐津弁護士は指摘する。

 公取委が独禁法違反との審決を出しその判断が確定したところで初めて、JASRACに方式を改める義務が生じるため、問題解決にはまだ時間がかかる。

 唐津弁護士は「消費者や利用者にとっての利益を考えながら、公正な市場に改めるのが独禁法の趣旨で公取委の判断は重い。JASRACと新規事業者それぞれの管理楽曲の使用実態を反映した上で徴収した使用料を分配するなど、包括徴収方式の運用に工夫が必要なのではないか」としている。

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